🧭 結論(要約)
高市早苗氏が日本初の女性首相に就任し、日経平均先物は一時5万円を突破。
この動きは、「市場が再び政策期待を織り込み始めた」ことを意味します。
数字で比較すると、2013年のアベノミクス初期に匹敵する上昇期待局面です。
ただし、当時との違いは“すでに円安・株高局面の中にいる”という点。
今後の投資判断は「熱狂より冷静」がカギになります。
1️⃣ 歴史的な一日 ― 高市政権誕生と日経先物5万円台
10月21日、高市早苗氏が日本人初の女性首相に就任。
市場は即座に反応し、日経平均先物(12月限)が5万円台を突破しました。
現物株も49,316円と史上最高値圏に到達し、まさに「高市相場」の幕開けです。
背景には、
- 成長戦略・構造改革への期待
- 円安による企業収益の改善
- 海外投資家の資金流入
が重なり合った“政策+マクロ+需給”の三拍子がそろった状況があります。
2️⃣ アベノミクス期との比較:数字で見る上昇パターン
| 指標 | アベノミクス(2012〜2014) | 今回(2025) |
|---|---|---|
| トリガー | 2012年12月 安倍政権誕生 「三本の矢」発表 | 2025年10月 高市政権誕生 女性初の首相就任 |
| 日経平均上昇率 | 約+63%(2012年末→2014年8月) | 直近で49,316円。 先物で5万円突破(+60%到達圏) |
| 為替 | 1ドル=80円 → 100円台へ(円安進行) | 1ドル=153円前後(すでに円安進行済) |
| 企業利益率 | 3% → 7%へ改善(ROE上昇) | 株主還元・設備投資拡大期待 |
| 政策姿勢 | 金融緩和+財政出動+成長戦略 | 防衛・エネルギー・デジタル重点。 “Sanaenomics(高市版アベノミクス)”とも呼ばれる |
| 株価水準 | 1万→1万6千円台 | 4万→5万台目前(史上最高圏) |
👉 共通点は、「政策転換+円安+海外マネー流入」構図。
👉 違いは、「アベノミクスはゼロからの上昇」「今回は高値圏での期待」だという点です。
3️⃣ 数字が示す“期待とリスク”
証券会社レポートによると、
予想EPS(1株利益)は2,607円、PER20倍換算で理論値52,000円台。
つまり、“日経平均5万超え”は理屈上も射程圏内です。
一方で、25日移動平均線との乖離率が6.3%超と、短期過熱感も指摘されています。
過去のアベノミクス期でも、こうした“期待先行局面”のあとに10〜15%の調整が起きています。
📊 数値で見る短期シナリオ
- 継続上昇:政策加速+円安維持 → 50,000〜52,000円台
- 一服調整:政策遅延・円高反転 → 45,000円前後へ調整
- リスク局面:海外マネー流出・地政学不安 → 42,000円台割れ
4️⃣ 投資家の実務的判断 ― 熱狂より冷静に
あなたがもし、
- S&P500などで長期積立をしており、
- 国内では高配当株を一部持っている、
という堅実なスタイルであれば──
今回の動きは「国内株のサテライト増強機会」と考えるのが現実的です。
つまり、ポートフォリオ全体の8〜9割は維持しつつ、
残り1〜2割を“国内政策恩恵セクター”に回すイメージです。
有望テーマ例
- 防衛・インフラ関連(政策出動恩恵)
- エネルギー・再エネ・電力(安定配当+需給改善)
- 通信・デジタル庁関連(官需+成長余地)
高配当銘柄を狙うなら、配当利回りが下がり過ぎた銘柄は避けるのが鉄則。
株価が上がって利回りが低下しているものより、「利益成長で増配できる銘柄」を選ぶべきです。
5️⃣ 総括:数字で見る“第二のアベノミクス相場”
アベノミクス期が示したように、「政策変化+円安+企業改革」は株価を押し上げる最強トリオです。
今回もその再現が伺え、「先物5万円突破」という数字は市場の期待が具体化しつつある証左です。
しかし、当時と異なり今回は「円安・株高スタート」の局面。
つまり、上昇余地よりも“政策実行力”が勝敗を分けるフェーズに入っています。
市場が次に求めるのは、**“言葉ではなく実行”**です。
投資家にできる最善の戦略は、
「コア(S&P500など長期分散)を維持しつつ、国内株は政策テーマに限定して参加する」こと。
そして、熱狂に流されず数字で判断することです。



